アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ

アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。

パラアスリートのライフストーリーに感激:『自己の可能性を拓く心理学』

おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

一昨日(11月15日)のことです。

ヒューマン・ギルドで 平日開催のカウンセリング演習 が行われているときに、勇気づけホームオーガナイザーの 丸山郁美さん が新著『アドラー心理学で家じゅうスッキリ! 片づける極意』(マキノ出版、750円+税)を3冊お届けくださいました。

心療内科医の貝谷 久宣先生が解説をされています。

アドラー心理学で家じゅうスッキリ!
片づける極意 (人生が大好転!
自分も家族も幸せになる!)
丸山郁美,貝谷久宣
マキノ出版

うちのカミさんは、近くのスーパーでも見かけたそうです。

私は「アドラー心理学ライフスタイル診断(お片づけ編)」に関して少々協力させていただきました。

丸山さんは、12月度のヒューマン・ギルドのニュースレターに著者ご自身による本の紹介をしてくださることになっています。


さて、丸山さんと同じくヒューマン・ギルドの 会員 の  内田若希さん 九州大学大学院講師)による本をしっかりと読みこなしましたので、紹介いたします。

『自己の可能性を拓く心理学: パラアスリートのライフストーリー』(金子書房、2,300円+税)

自己の可能性を拓く心理学:
パラアスリートのライフストーリー
内田 若希
金子書房

著者の内田さんは、出たばかりのこの本を8月22日にお届けくださいました。

帯には、この本のエッセンスを表す次の言葉が書かれています。

「真の障害」からの脱却とはなにか?

人生を揺るがす喪失体験に直面した人々。
彼らの自明視してきた日常の喪失と新たな人生の再構築のストーリーは、多くの人々の「生き方の指針」となる。
障害の有無にかかわらず、自己の可能性を拓く心のあり方を描きだす。

内田さんが研究者としてパラアスリートに関わってこられたこの本のエッセンスは「まえがき」の次の言葉で明確です。

障害の有無にかかわらず、人は人生において何らかの喪失体験に遭遇することがある。
このような喪失体験が、自己の能力や可能性の否定、夢や目標の喪失といった「真の障害」へとつながることもある。
この「真の障害」とは、医学的な診断を伴う障害を指すのではなく、自分の人生の限界を設定してしまうこと(ブイチチ 渡邉訳、2010)を指す。

本書は次のように構成されています。

まえがき

第1章 真の障害とはなにか

第2章 自己の心理学

第3章 「喪失」のストーリー ー 障害を負うことの意味

第4章 「緩やかの喪失」のストーリー ー 中途視覚障害者の語りから

第5章 可能性への挑戦 ー 再構築のストーリー

あとがき


著者の視点は徹底的に「障害」ではなく「能力」と、それに伴う「成長」を見つめることに置かれていて、第1章では「ネガティブな出来事と向き合う過程の結果として、自己成長が生じることもある」ことを強調しています。

第2章では、アドラー心理学の「自己決定性」を中心とした5つの基本理論も登場し、内発的動機づけが中心に語られています。

第3章では、身体面の中途障害に伴う喪失感をナラティブ・インタビューによって脱却し、生きる意味を再定義する試みが書かれています。

第4章では、視覚障害者の語りをもとにしたライフスト―リ-研究をもとに「緩やかの喪失」に対する考え方や自己の捉え方の変容のプロセスが書かれています。

特に第3章、第4章は、学術書でありながら涙なしで読めない部分です。

第5章では、「とりわけ人生の転機ともなるような心に残るエピソードであるスポーツドラマチック体験は、自己変容を促す環境や時間・人・行動といったダイナミックな関係性を生み出す。また、人生のすべてを投入できるような、新たな人生の目標を設定することが、心理的成長感につながるのである」と冒頭に書かれ、最後は「可能性を拓く勇気が、生きてきた世界の枠を広げ、未来へとまた一歩踏み出す力を創り出していくといえるだろう」と結ばれます。

ここまで読まれた方は、この本がパラアスリートを勇気づける本であることが理解できるだけでなく、読者もまた感動と著者の熱い想いによって勇気づけられることでしょう。

パラリンピック創始者であるルードヴィッヒ・グッドマン博士が障害者を勇気づける次の言葉が何度も繰り返され、読者の心に残ります。

「失われたものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ」

 強くお勧めします。

ヒューマン・ギルドでも取り扱っています。

◆著者の内田さんは、2018年2月12日(月・祝)に福岡から上京され、アドラー心理学ゼミナール で「自己の可能性を拓く心理学」と題した講演を行ってくれます。

※講師からの内容説明※

 もし明日、当たり前のように続いてきた日常、思い描いてきた未来が突然奪われたとしたら、みなさんはどうするでしょうか?

自分の能力や可能性を否定したり、夢や目標を失ったりするような喪失体験は、誰にでも起こり得ます。

このゼミナールでは、喪失体験のひとつである中途障害を切り口としながら、心理社会学的視点から「真の障害」を見つめ、自己の可能性を拓く心のありかたについてお話しさせていただきます。

 料金:各回共に2,160円(税込、要予約、当日支払)
 時間:各回共に11:00~13:00 
 会場:ヒューマン・ギルド研修室

 http://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/259 こちらから詳細確認及びお申し込みができます。

<お目休めコーナー>11月の花(18)

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